史料20では、占夢官が書物を参照して占断を行うようにみえますが、他のところでは何も使っていないようにみえます。なぜでしょうか。

もちろん、史料的にどこまで正確な書き方をしているのか、細大漏らさず描いた網羅的な記録なのか、という問題は常にあります。ゆえに、情況に応じて具体的な占夢のあり方は異なるでしょうが、文献を参照したらしい痕跡がある以上、通常の亀卜や易筮と同じく、占断の典拠となる占辞や神話=歴史のエピソード、それらを記録した書物があったと考えるべきでしょう。