夢のなかで修行をするというのが面白かった。芥川龍之介の作品にも、仙人に夢のなかで鍛えられるというシーンがあったが、類似を感じた。

杜子春』ですね。唐代伝奇の鄭還古『杜子春伝』が原作ですから、似ているのは当然です。ただし、原作の方も芥川作品の方も、「夢で修行をする」という枠組みではなかったように思います。覚めてみたら一瞬の幻だった、という展開ですね。夢のなかで一生のような長い時間を経験する、というモチーフは、やはり唐代伝奇の『枕中記』『南柯太守伝』などで確立されます。