技術や研究が発達して、歴史文献の歪曲や粉飾を発見することができるようになったのだと思いますが、学校で日本史を教える等の場合、真実と架空の話との境界線はどのように決めるのでしょうか。

歴史学が明らかにする過去の世界というのは、これは真実、これは虚構、と明確に区分できるものではありません。蓋然性の高い想定で成り立っているのです。個人的には、それを明確に説明したうえで、現在の定説として、具体的な事柄を解説してゆけばよいと思います。新たな見解が出て更新される可能性が高い部分については、幾つかの見解を挙げて生徒に考えさせるのもよいでしょう。そうした訓練を積んだ方が、歴史に対する関心、興味は格段に増してゆくはずです。