聖徳太子の位置は、同じ『日本書紀』に出てくる武内宿禰によく似ていると思う。前者が現在まで語り継がれているのに対し、後者がほとんど顧みられなくなってしまったのはなぜでしょう。

やはりその実在性でしょうね。『書紀』によれば、武内宿禰は280歳もの年齢を生きたことになります。さすがにこれは、伝承であることが明らかでしょう。戦前であればむしろ神聖性を付与されたかも分かりませんが、戦後の「科学的歴史学」では存在が許されなくなったのでしょうね。