エジプトの『死者の書』では、犬の頭をしたアヌビス神が確認できます。これもまた、犬が人間に対して担った役割と関係があるのでしょうか。

アヌビスは死者の領域を管轄していますが、やはり犬が屍肉をあさることと関わりがあるのでしょう。モンゴルではオオカミがトーテム動物として信仰されていますが、モンゴル民族は死体をオオカミに食べて貰わないと、天上へ上れないと考えていたようです。ギリシャ神話に登場する冥界の番犬ケルベロスといい、生きた獲物を捕らえるオオカミよりも、犬の方が世界的に死と結びつけられることが多かったようですね。