稲魂を運ぶ鳥ですが、なぜ白く首の長い鳥が選ばれたのでしょう。理由はあるのでしょうか。

まずは、サギやツルといった目立つ容姿の鳥が、田起こしを始める春先や、稲穂の実る夏頃に、水田を訪れる生き物のなかにあったということでしょうね。銅鐸にある長首・長脚鳥の絵画には、魚をくわえているものも認められます。当時の水田は川と直結しており、稲を縫うように魚が泳いでいたと考えられているので、餌を採るために降り立ったツルやサギの姿を、以降の収穫と結びつけ「稲魂を運ぶもの」と観念したのでしょう。