土偶には男性のものもあるのでしょうか。あったとすれば、どのような目的で作られたのですか。

例えば、岩手県盛岡市川目から縄文後期〜晩期、北海道千歳市蘭越から縄文晩期の、男性性器を持った男性土偶が出土しています。講義では土偶祭式の話をしましたが、もちろんすべての土偶がその仮説で説明できるわけではありません。ほとんど損壊されない状態で出土する土偶もあり、やはり神像のように崇拝されたものとみられていますし、抽象的な形態の小さなものは、お守りのような方法で使用されたのではないかと考えられています。男性土偶はについては類例も少なく、充分研究が進んでいませんが、男性性器を象った石棒等々と類似の機能が期待されていたのではないでしょうか。