日本人は肉を食べるようになって体格が大きくなったと聞いたことがあるのですが、肉食が普通だったということは、ただ単に栄養状態がよくなった結果大きくなったのでしょうか。

肉食が忌避されていなかったといっても、現在のように毎日毎日肉ばかり食べられたわけではありません。それは贅沢なご馳走であり、また滋養強壮などの薬用であって、狩猟によってはまれにしか食べられなかったのです。現在のような供給体制が整備され、日本人の肉体を変容させてゆくには、食肉用の牧畜が一般化するのを待たねばなりませんでした。