内田樹氏の言葉に、深く頷けるものがありました。過去から今日に至るまで、死者の死の意味は生者による都合のよい解釈がなされたものばかりだからです。このことから生者は死者より優勢との思考がみられますが、生者と死者の立場を平等にすることは出来ないのでしょうか。

時代のあり方、社会のあり方によって、死者と生者の関係は絶えず変動しているのかもしれませんね。確かに、生者の世界において常に死者が利用されている、消費されているという意味では、表面的には生者の方が優勢であるかにみえます。しかし、生者が死者に対して「返済しようのない負債」を背負っていることも確かです。よって、ときどきは死者の側から強烈な反駁が行われる。その繰り返しによって、何とかバランスが保たれているのかも分かりません。