ジブリ作品について、『風の谷のナウシカ』は里山とは違いますが、やはり環境を扱ったものではありませんか?

自然を扱ったものとしては、コミック版『ナウシカ』の方が深く複雑で、自然/人間の二項対立を描いた『もののけ姫』より優れている、とぼくは思います。『ナウシカ』の自然=世界は『もののけ姫』のそれより強靱で、腐海を生み出しつつも浄化と回復を続け、その最終地点においては「現在生きている人間は死滅する」ことが暗示されています。世界戦争により地球に決定的な打撃を与えてしまった人間が、やがてその地球に滅ぼされてゆくのですね。『もののけ姫』は、『ナウシカ』的時間軸における、歴史の1ページにすぎないのかもしれません。