精神分析の方法を歴史学に援用した、よい参考文献があれば教えてください。

やはり、歴史学者でもありフロイト研究者でもある、ピーター・ゲイの一連の著作をお薦めします。まずは、『歴史学精神分析フロイトの方法的有効性―』(岩波書店、1995年)でしょうか。個人の主観的構築物にすぎない歴史叙述が全人的価値を持ちうるのはなぜか、といった冒頭の議論から始まって、さまざまな示唆を与えてくれます。フロイトの評伝、その理論を援用した具体的な対象研究も多く翻訳されていますので、ぜひ参照してください。