シャーマンは病気などを経験して神聖性を帯びるとのことですが、これは死の世界に近付くことで境界的力を手に入れるとの解釈でよいのでしょうか。
もちろん、そうした考え方もできるでしょう。巫病とは力のマイナス面ですから、シャーマンの力自体は極めて両義的なものといえます。まさに「境界の力」なのですね。ですから現実の場合、師匠となるシャーマンの指導をしっかり受けなければ、コントロール自体が不可能です。また、その力を通じて目にみえないものがみえる、他者の痛みを共有できるということは、身心への負担は相当なものとなるだろうと想像されます。