現行本『捜神記』が宋代に編集された際に、原本から抜かれた説話があるとのことですが、どうしてそのようなことが行われたのですか。

ちょっと説明がうまく伝わっていなかったようです。恐らく宋代には『捜神記』の原本的構成が散佚してしまっており、『法苑珠林』『初学記』その他の類書に引用されている逸文、その他『捜神記』に収録されていたと伝わるものを収集して、再構成したのが現行本です。そこには、実は『捜神記』に依拠して六朝後期に作られた『捜神後記』に収録されていたものが収められてしまうという過剰性や、逆に原本に入っていたはずのものが看過され、あるいは見つからずに収録されなかったという不足が見受けられるというわけです。