国体を構築した政府の人々は、神なり仏なりを何かしら信仰していたのでしょうか。何も信じておらず、単に政治的に利用しただけなのでしょうか。

ひとりひとりの個人的信仰のあり方を復原するのは難しいですが、一般的にいってまったくの無神論者ではなく、やはり何らかの神仏に関わる信仰を持っていたものと思います。神道を強く信仰していた可能性もあります。怖ろしいのは、宗教の政治利用を主体的に行おうとしている人々自身が、その宗教を盲目的に信仰している場合です。利用を利用と思わず、それが神々への奉仕・報恩に繋がるのだと理解していたとすれば、歯止めがききません。戦前・戦中の日本の場合、そうした情況が少なからずあったのではないかと思われます。