天には太陽があり、日光と雨という、生き物が生存してゆくために必要なものを授けてくれます。ゆえに、天にあるものは人類の歴史のかなり早くから、世界中で神聖化されてきました。太陽はもちろん、月、星もしかりです。アジアの先進文化発信地であった中国では、この天全体を神格化する発想が殷王朝、周王朝と整備されてゆき、地上の王権の支配は天に委任されているものとの考え方も生じました。日本列島でも、農耕が普及した弥生時代以降に天への意識が強まってゆきますが、古墳時代には中国や朝鮮の影響を受けつつ、独自の天=神々のパンテオンとする発想を構築していったものと思われます。