日本列島は、他国との全体的な関わりが少ない社会・文化であったと思うのですが、そうすると、日本人は伝染病のようなものに非常に弱いのではないでしょうか。開国後に他国との関わりが増えた後、多くの病が流行するといったことはなかったのでしょうか。

現在の歴史学では、閉鎖的に考えられていた日本列島でも他世界と密接な交流があった、という位置づけに変わってきています。それでも、常に外敵の侵入に怯えながら、それでも多くの文物を吸収し展開させてきたヨーロッパ、アジアの国々と比べれば、閉鎖的だといわざるをえないでしょうね。開国前後のパンデミックとして知られるのは、やはり幕末のコレラです。このときにもやはり、ペリーらの来航が病の原因だと考えられ、「アメリカ狐を退散させるには、天敵である狼に頼ればよい」と、山犬を祀る御嶽神社三峯神社の守り札が大流行しました。やはり、古代とよく似た情況になっています。