頭蓋骨に脳が残っていたものがあるそうですが、その脳から具体的にどのような分析結果が出ているのでしょうか?

鳥取県の青谷上寺地遺跡からは、弥生時代の人々の脳3つが検出されています。現在、日本列島で発掘された脳の遺物としては最古のものです。人類の進化過程からすれば1800年前というのはわずかなものなので、基本的な構造は現代人のそれと違いがありません。現時点では把握できた情報には限りがありますが、今後の技術的進歩によってDNAが抽出できたりすれば、大陸からの人類の移動に際してさらに有益な情報が得られるはずです(骨組織から抽出したDNAで、一応は朝鮮半島から渡来してきた人々、あるいはその子孫である可能性が高いと想定されています)。脳神経組織の一部やそのネットワークも残存しているので、いつか、それらに記録されている未知の情報が解明される日も来るかもしれません。