清水風遺跡の「卌」のような記号は、私には刈った稲を干しているようにみえます。ワナだったら、もう少し鹿の近くに描くのではないでしょうか。

稲木への稲掛けですね。弥生時代の土器絵画は、季節をしっかりと描いていることが多いので、この場合もその点に注意する必要があります。まず、鹿が水田に現れるのは主に苗を食べるためなので、季節として春です。水田に魚が描かれていますが、淡水魚のフナやコイは春が産卵期で、浅瀬に来て産卵を行います。水田にフナやコイのいる風景も、ちょうど春に合致します。そうしてみると、稲を干すような秋の景観は、この絵にそぐわないことになります。ただし、鹿には立派な角が生えていますので、春から夏にかけての時期、ということになるかもしれません。