レルフの没場所の考え方が、場所の呪縛という意味で肯定的に用いられていましたが、その点以外でも肯定的な概念といえるのでしょうか。

授業でもお話ししたと思うのですが、没場所について、レルフは基本的に否定的な立場を取っています。主体が空間を場所として分節できる、さまざまな繋がりを喪失させてしまうからです。束縛からの解放というのは、あくまで「そうした意味もあるので、一概に否定的には捉えられない」という、但し書きに止まります。