「牛に経文」という言葉を、『出曜経』の話をみて思い出しました。これは、畜生を人間より下にみるといった考えの影響で生まれた語と考えていいのでしょうか?

「馬の耳に念仏」などと同じ系統ですね。しかしどうも、これらの諺は、あまり仏教的ではないように思われます。仏教が通俗化する過程で、恐らく仏教文化の周縁、民衆の側から発生した俚諺でしょう。宗教の系統でいうなら、どちらかといえば、人間と動物を截然と区別する儒教の発想でしょうね。