戦時においては、よく「民衆の大量虐殺は残酷」などというが、いつから「残酷さ」は文明の対立概念になってゆくのだろう。

いえいえ、たとえ近代国家、現代国家が行うことでも、残酷行為は常に「野蛮」との観念で表象されます。例えば、日常の残酷事件でも「人間のやることではない」などと形容されますが、それは「人間」を文明の象徴として持ち出してるからです。残酷=野蛮な行為は、「非人間的」とみなされるのです。すべて、人間しかやらないことであったとしても、です。