牛の頭という絵や記号から、文字が分かれるのはどのタイミングなのでしょうか。

ヒエログリフの雄牛からヘブライ語の’Alephを経てアルファベットAに至る過程についてですが、それが絵画ではなく、あるいは象徴的な狭義の記号ではなく(広義の記号は文字も含みます)、あくまで文字として機能したと考えられる画期は、やはり文章の一部として用いられているかどうかでしょう。単体や、複数の集合でも何らの総合的意味をなさない場合には、それは狭義の記号もしくは絵画ということになります。それが、隣り合う記号と関係し合って単体の意味以上の何らかの意味を表し、また複数の記号の総合として文章としての意味を持つならば、それは狭義の記号ではなく文字だといえるでしょう。表音文字の場合も同様で、複数の記号が集まって何らかの音からなる単語を表すようなら、それは文字だといえると思います。