ブッダやシャカを、漢字ではなくカタカナで表記しているのはなぜでしょうか。

仏教だけではなく、神話学などでもそうなのですが、同一の尊格を扱った文献が複数存在すると、同じ存在を示していても表記が異なる場合が出てきます。例えば日本の神話では、『古事記』や『日本書紀』の間で、同じ神名でも表記が異なるので、その音を取ってアマテラス、スサノヲなどとカタカナで示します。仏典の場合、原典のサンスクリットやパーリ経典と漢訳経典とを併せて論じようとすると、「釈迦」「仏陀」といった表記では総括的な扱いができなくなってしまいます。ゆえに一般的には、メタ・レヴェルの表記としてカナを用いているのです。