日本でマルクス主義歴史学が席巻していたのは、自覚を持って掲げていたのでしょうか、それとも後世の分析でそう位置づけられたのでしょうか?

もちろん、自覚を持って掲げていました。みな、マルクス主義であることを標榜していました(しかし社会主義の実現をどう目指してゆくかについては、レーニン主義毛沢東主義無政府主義など、細かな相違は存在しました)。60年代の歴史の概説書などをみると、マルクス主義の用語で覆い尽くされていますので、いまの学生さんたちがみても「読む」ことが困難でしょう。