日本にとって不利となる歴史的に重要な史料がみつかったとき、それを隠蔽しようとしてばれて、大きなスクープになったことはないのでしょうか?
まさに、徴兵工や慰安婦をめぐるいま現在こそ、その状態にあると思います。例えば慰安婦をめぐる朝日バッシングなどは、虚偽であった吉田証言に基づく誤報を朝日が陳謝したことに始まり、メディアでは産経がこれを攻撃、国家として国際的には慰安婦の問題を肯定・謝罪している政府も、あたかも朝日の誤報によって慰安婦の存在自体が捏造されたかのような発言を続けています。しかし、アカデミズムの歴史学の世界では、慰安婦を捏造だと考える研究者はいません。また、朝日だけでなく、同時期の産経も吉田証言に基づく報道をしていたことも明らかになっており、彼らは自分で自分の首を絞める結果になっています。以前授業でお話ししたとおり、そもそも慰安婦には日本人の犠牲者も多くあり、国家が個人の尊厳を抑圧した人権問題として受けとめるべきことです。これを外交問題に矮小化し、セカンド・レイプを繰り返すような日本政府、メデイア、一部「知識人」の発言などについては、海外から極めて厳しい視線が向けられていることを自覚すべきでしょう。