2017-12-26から1日間の記事一覧

私は小学唱歌「ふるさと」が嫌いなのですが、今日の講義を聴いて一層嫌いになりました。

ぼくもあまり好きではありません。そもそも、遠くにあって思う故郷が創出されるのが、やはり日本の近代なのです。これは、もともと移動性のなかにあった人々の暮らしを土地に縛り付け、家父長制的家族に固定し、租税・兵役負担の安定的な単位とすることが目…

棚田は、効率的に作物を増やすため、積極的に斜面に作られたと思っていたが、場所によっては、水田面積を拡げるため、やむなく柴草山を開発したところもあると知った。

日本の棚田は、斜面下の川原の石を上へ上へ積み上げて畔を作り、上部に水源がないところでは川から水を汲み上げ、灌漑して耕作します。これはかなりの重労働であるため、「棚田を使用しないでも生活が営める」現在においては、観光資源として活用できる以外…

東北では、黒松などが防潮林として藩主導で積極的に植えられていたが、森林の役割自体はこの時期重く認識されていたということでしょうか。

もちろんそうです。授業でも扱いましたが、江戸初期には東北各藩で山林資源の大規模な枯渇がみられたため、土砂災害なども多く、藩主導での植林政策がプランニングされています。近畿の土砂止めの法令も同じですね。ぼくの妻の実家がある秋田の能代でも、「…

白神山地の伐採に朝鮮出兵が関係しているとのことですが、九州から遠い陸奥や出羽で伐採が行われたのはなぜですか。

当時、豊臣秀吉の全国政権が完成しつつあったためです。出羽の大名となった秋田(安東)実季は、小田原従軍以降秀吉に属し、太閤検地を経て長年紛争の続いた所領を安堵されますが、同時に秋田杉の重要性に注目した豊臣政権によって多くの蔵入地を設定され、…