2018-10-31から1日間の記事一覧

アジア的生産様式について学べる本があれば、教えていただきたいです。

残念ながら、アジア的生産様式について、一般的に分かりやすく書いている本はありません。とくに1980年代よりも前、マルクス主義全盛期に書かれたものは、文章自体が極めて難解です。専門書ですが、同様式の議論が世界中でどう展開したかを網羅したものに、…

近世まで、統治者の権威・権力には呪術的信仰が伴っていたというが、現代では、合理的でなければ民は信用しないだろう。この違いは、信教の自由がもたらした変革によるものだろうか?

どうでしょうか。われわれが、それほど合理的・論理的に思考判断できる主体かどうか、あまり過信しすぎるのもよくないかと思います。まあ、個人の政治的志向が入ってしまいますが、本当にぼくらが合理的なもののみを支持するのであれば、これほど疑惑や汚職…

一見するとアナール学派にはあまり弱点がなさそうですが、個別分散化以外に何か批判される要素はあったのでしょうか。 / アナール学派に影響を受ける国もあれば、懐疑的だった国もあるのだろうか?

例えば、ロシアの歴史家アーロン・グレーヴィチらが、「アナールに理論がないこと」を批判しています。授業でもお話ししましたように、アナールはグランド・セオリーを批判し、個別具体性の探究を重視しましたので、歴史全体を俯瞰するような枠組み、理論を…

今でも社会史という言葉をよく聞きますし、衰退したというより一分野として落ち着いた印象です。ただ、いろいろな分野に深い知識が必要そうなので、やはり難しそうです。大学で社会史をやる人はどれくらいいるのでしょうか。 / 社会史は網野善彦らが亡くなったあと衰退したとのことだが、いま、現在の主流はどのようなものなのだろうか。

確かに「落ち着いた」というものの見方はできますが、一時期は「網野善彦が指摘したことには何の意味もなかった」といった見解がまかりとおっていましたので、「衰退」「反動」といってもよい情況だったと思います。また社会史は、単に社会を研究対象とした…