侍医や女医博士の身分が意外に高かったことに驚きましたが、やはり中国の制度をそのまま採用したのでしょうか。 / 女医の活躍は、律令以外の史料にもみられるのでしょうか。

女医博士は、日本で新たに置かれた官職です。記録をみると、これは女性ではなかったようですね。また、女医の活動については史料がほとんど残っておらず、明らかではありません。例えば平安時代の后妃たちの出産では、女房が奉仕しており女医の姿はみえません。野田有紀子氏の研究によれば、唯一具体的に規定されている女医の仕事は、『延喜式典薬寮式に載る、天皇および皇后の使用する白粉の作製のみとのことです。この作業には女医14名が動員され、日ごとに飯・塩・滓醤・酒の支給を受けています。