蟹が再生の象徴であることがよく分かりませんでした。多産である他に、脱皮することが原因でしょうか? / 蟹の再生は潮の満ち引きと関わるのではないでしょうか。 / なぜ蟹が取り上げられたのか、その必然性が分かりませんでした。

脱皮は関係するでしょう。また、蟹全般ということで考えれば、潮の満ち引きも意味がありそうです(月のイメージとも重なりますので)。史料12の物語は、山背国の木津川周辺で作成されたようで、現在も白鳳期創建の「蟹満(多)寺」が存在します。木津川周辺で古くから蟹に関する信仰があり、それに基づいて仏教説話が生まれたのかも知れません。木津川はその名のとおり林業と密接な関わりがありますが、蟹守=掃部が修繕官司であるのもまったくの偶然ではなさそうです。