「一切衆生悉皆成仏」について、「草木国土悉有仏性」「山川草木悉有仏性」など幾つかの派生があり、ものによっては戦後の日本的アニミズム論のなかで造語されてきたという話を、どこかで読んだ気がします。本覚論と日本的アニミズム論について、整理していただく回があるのかなと期待しております。

もちろんやります。以前、草木成仏に関する整理を文章として書いたのですが、「一切衆生悉有仏性」というそもそもの『涅槃経』の字句には、実は植物は対象として含まれていない。それが「草木国土悉皆成仏」に変質してゆくのは、極めて列島的な文脈によるものです。近代の問題も含めて、後半の回で扱うことにします。