2019-10-04から1日間の記事一覧

バイト先の塾の障がいのある子は、警察官になりたいのですが、特別支援学級に入ったらなれないので、母親が諦めさせようと苦心しているそうです。電車の運転手や警察官など、責任の重い職業に障がい者が就くことができないのは、「合理的な配慮」なのでしょうか。

非常に難しい問題ですね。就職をめぐるバリアフリーをどこまで進められるか、それは社会を構成している私たちひとりひとりの思考、行動にかかっていると思います。「警察官やパイロット、電車やバスの運転手など、ある程度の運動能力と思考力をもって、他人…

先日肉料理のイベントに行った際、肉食反対を訴える人々がプラカードを掲げて、動物の殺害現場を撮った写真をみせていました。主張は分かるのですが、これから肉を食べようとしている人たちに、その訴え方は倫理的にどうなのでしょうか。

もちろん、倫理的に是です。倫理というものは、永久不変な真理ではありません。時代によって、社会によって違いがあり、またどんどん更新されてゆく性質のものです。倫理の範疇は他者理解の拡大とともに、家族、隣人、地域、国内、国外、そして人間以外へと…

帝国日本の植民地経営、戦争に関する賠償金を、例えば東南アジア諸国に対しては、経済協力の形で負担するよう承認してもらっていたことを初めて知りました。しかし、戦後荒廃していた日本に、アジア諸国は何を「期待」したのでしょうか。

確かにそのあたりのことは判断が難しいですが、戦前・戦中の日本の技術力についてはそれなりの評価があり、またサンフランシスコ講和条約についてはアメリカの実質的な勢力下で連合諸国の承認がなされましたので、アメリカの意向も忖度されつつ決断がなされ…

以前みたテレビで、「日本はもう格差社会から階級社会だ」と主張していました。これは完全に排斥思考の表れだと感じたのですが、この点をマイノリティの実態から考えてどう思いますか?

格差社会と階級社会の相違点は、どの程度その社会的・経済的位置が再生産され、次世代へ継承されてゆくかということでしょう。列島社会はもともと首長に依存した並列な共同体で階級的意識が弱く、なだらかで一定の入れ替わりのある〈階層〉社会とみられてき…

私の姉は空港で働いているのですが、そこで問題になっているのが、カワウソのような動物の違法輸送です。スーツケースのようなもので運び込まれた動物たちは、ほぼ死んでしまっているようです。「動物の権利」は、やはり国によって認識の相違があるのでしょうか。

心が痛いですね。動物や植物の権利については、近年ではピーター・シンガーが、理論的にも実践的にも大きな流れを作っています。「どのように考えるか」が重要な曖昧な部分については、もちろん各国、各地域、各階層、そして個々人によって大きな相違がある…

生態系の利用から生命の改変を行うようになったというのは理解できたのですが、国家はともかく宗教の核になったというのがよく理解できませんでした。

詳しくは谷泰さんの『神・人・家畜』や『牧夫の誕生』を参照していただきたいのですが、まず誤解があって、「生命の改変を行うようになった」ことが国家や宗教の核にんるのではなく、「生態系の利用」の時点、すなわちドメスティケーションの発想と知識・技…