唐物で日本に輸入されてきた物は、日本でこれが欲しいと指定した物なのでしょうか。そもそも日本に存在しないものとすれば、なぜ日本側がそれを知っていたのか疑問です。

奈良時代にも、中国や朝鮮から外交使節が訪れ、彼らが帯同した商人らによって、朝廷や有力貴族との交易が行われていました。その頃から中心は香薬で、唐物の品目の受容はあまり変わっていないかもしれません。商人からみれば、朝鮮や中国の高級な物品、そして何より日本に存在しない物産が高く売れることは分かっているわけで、長年の交易の結果としてこれらの品目が出てきているといえるでしょう。また、何度も日本に来たことのある商人なら、日本側の注文を反映した品揃えをしたことは充分考えられます。