2019-11-29から1日間の記事一覧
まず第一に口頭伝承ですね。今日授業でお話ししたとおり、歴史学研究者には、文字記録よりも口頭伝承を曖昧、もしくは不確かなものだと考えている節がありますが、歴史実践をめぐる人類学研究では、何十代も前に遡る首長の系譜と活動を、淀みなく物語ってゆ…
なるほど、興味深い質問です。異常出生譚、いわゆる生まれ方が異常な例は、例えば聖徳太子(厩戸王)や行基など、通常の人間としてのありようが、史実として確認できる存在にも用いられます。太子は馬屋の前で難なく生まれ、生まれながらにして聡明で言葉を…
例えば中国ひとつをとっても、龍や蛇に対する言及は無数に存在しますので、どこに視点を置いてみるかによって異なる様相を呈してきます。しかし概していうならば、蛇と龍の相違は上位神霊か下位神霊か、ということになるでしょう。例えば道教では、龍は水と…
ぼくの話し方が悪かったかもしれませんが、日光感精の例を挙げたのは、自然物から感精して王を生む、英雄を生むというパターンの1例としてです。そのうえで幾つか付け足しておきたいのですが、まず、古代から現在に至るまでの時間のなかで、天照大神が男性…
ああ、その観点はありませんでした。恐らく、そういうことになると思います。どこかで言及しましたが、『易経』には「積善の家には余慶あり、不積善の家には余殃あり」との一文があって、儒教の家の論理を体現するものとしてよく引用されます。仏教の因果応…
そうですね、授業でも紹介したジン・ワン氏などは、そうした見方をしています。現代からみると異なる要素が一体になっている論理について、かつてレヴィ=ブリュールは〈融即の論理〉と呼称し、それが作用している心性を〈原始心性〉と名付けました。すなわ…
授業で紹介したチベット、あるいはその周辺地域での水葬については、やはり下流地域との軋轢もあって、現在はあまり行われていません。チベットでは出産に関わる限られた埋葬法でしたが、しかしインドのガンジス川のように、何から何まで「流して」しまうの…
授業をよく聞いてください。まず、今回の調査について、ぼくはすべてを肯定して語った覚えは一度もありません。以前に4月の調査について少しお話をして、前回は、11月の調査でそのときの情報がかなり修正された、とお話をしました。すなわち、文献を読むと…
Loyolaの画面 レポート課題を、以上のようにLoyolaに入力しました。何度かお話しした、素材化(material/aization)の問題です。次回の授業にて詳しく説明します。なお評価に際しては、以下のポイントを重視します。a)テーマ、問題意識のオリジナリティb)…