講義のなかで、「クニ」や「カミ」とカタカナ表記をするのはなぜなのですか。

「国」「神」などの字を使うと、漢字に付随する狭義の意味になってしまうため、テクニカル・タームとしてメタ化しして使用する目的です。「国」「神」と表記すると、漢字のそれが定着して以降の意味合いになってしまいますが、クニとすると各地域の首長権力者を核とする地縁的集合体、カミとすると精霊を含む神的存在ということになります。同様の意味で、大和政権をヤマト政権などと表記する場合もありますが、これはヤマトの表記が「大和」「大倭」「大養徳」などと時代によって変転するためでもあります。