2011-05-06から1日間の記事一覧
民俗学の対象はそこかしこに転がっていますが、遠野には東北の伝統的な農村形態が残っており、そうした意味では面白いところです。ただし、上記のような位置づけがあまりに固定化されてしまったために、ディズニーランド化ともいうべき現象が起きており、妖…
本田済『易』(朝日選書、もしくは朝日文庫)が読みやすいでしょう。『易経』の内容や占いの仕方などが分かりやすく解説されています。
参考文献リストに挙げた落合淳思氏の『甲骨文字に歴史を読む』、平勢隆郎氏の『よみがえる文字と呪術の帝国―古代殷周王朝の素顔―』はお薦めです。後者はちょっと難しいですが、『史記』に載る殷代の歴史が後世に捏造されたものであることなど、殷の歴史が確…
『史記』にある亀卜の説明部分は、列伝の「亀策列伝」という箇所なのですが、現行の『史記』にあるこの篇目は、後に褚少孫が追加した部分です。もともと存在したものが失われ、褚が宮廷等々に保管された記録を収集し、太卜官に聞き取りするなどして補ったも…
北斗七星は、北極星と同様に天空で重視された星座で、天帝の具現した姿、あるいは住居などと考えられました。古くから北辰と呼ばれて信仰の対象となっており、柄杓の柄の部分の3星は、季節や時刻を指示する指針とされていました。ゆえに卜占においても重視…
3が基本数なんですね。講義でも扱いますが、殷代以降、中国の卜占文化においては3という数字が重視されます。天下の象徴である鼎の足が3本であることからも、3が宇宙を示す、あるいは天を支える基本的な数字であると考えられたのかも知れません。後の時…
あまりそうした形では出土していないようです。ただし、廃棄されたメドキは出土していないので(形態からいってすぐ腐食してしまうのでしょう)、折られることはあったかも知れません。日本列島でも、縄文土偶は破壊されて埋納されますし、弥生の青銅器にも…
殷代末期にかけて甲骨卜辞の内容が変質し、自然災害や戦争など臨時の大事について占うことが少なくなっていったことからすれば、その必要性に疑問を抱く王、貴族たちもいたものと思われます。ただし、祭政一致の政治・社会情況においては、そうした評価も相…
これは「改竄」の問題と関係がありますね。甲骨卜辞には圧倒的に「吉」の占いが多く、人間がコントロールできない自然事象についても王の占いが的中した例をみることができます。実際に占いが外れた場合でも無理矢理当たったようにこじつけたり、後日当たっ…
この電子辞書の解釈は『説文解字』によるものと思われますが、例えば白川静氏は、死霊が災禍をなさないよう胸に刻む×=文の意味としています。よって、亀卜の音と「凶」との関係は薄いようですね。ただし、甲骨卜辞には「音がしなかった」と解釈できる文字が…
卜占に限らず、神霊とのコミュニケーションにおいて音が重要な役割を果たすことは、世界中に共通する文化だと思います。例えば、儀式での祝祷を美しい声で述べなければならないとか、賛美歌を美しく歌い上げなければならないということも同じレベルです。も…
面白いですね。甲羅も結局は骨なので、後世にわたる耐久性については単純な比較はできないでしょうが、甲羅の整治が骨の整治より厄介だったのは確かでしょう。当時の亀卜の技術は卜府が独占していましたので、高度な技術の方が他国にまねされない、権威が高…
重要な質問です。そもそもは、占断を行った時点での結果を確認するために、それを記録して後に照合したのだろうと思われます。しかし、次第に照合の文章の験辞は刻まれなくなり、人為的操作の跡も色濃くなってゆきますので、だんだんと記録・保管の意味が変…
殷代も晩期になってきますと、王が「帝」を名乗り始めます。これは神と自身を同一化しようとしたのかも分かりませんが、後に殷が滅ぼされ、続く周王朝では「帝」を自称しなかったことからすると、当時一般の認識としては抵抗が大きい行為だったのでしょう。…