どの程度の渡来人が来ていたのでしょう。それほど大量の人数がやって来るほど、航海術が確立されていたのでしょうか。

渡来人の規模の算出については、まず遺跡や遺物から推定される弥生時代の人口、飛鳥時代の人口を基礎に、農耕社会や狩猟採集社会の人口増加率を割り出して内的増加数を計算し、これと飛鳥時代の人口との差を渡来人の数量として埋める方法を採っています。極めて不正確な方法でしかなく、100万人渡来説をはじめ規模には諸説ありますが、1000年ほどの間に数万〜10数万の渡来があったと考えてよいでしょう。ほとんどが、比較的横断が容易な日本海を渡ってきた朝鮮半島の人々、もしくは半島における漢人遺民であったと考えられ、北陸から九州にかけて到着し、定着していったと思われます。