陰陽道は本当に使える技術だったのですか?

陰陽道の原型は中国の陰陽五行説で、日本においてはまず都の位置を定める風水の技術として展開しました。その後、天文・暦の知識・技術を集合させ、空間と時間の吉凶を知り、邪なものを斥け幸いを招き入れる科学体系として大成されてゆきます。天文・暦の知識は現在のそれに通じるもので、1年のありようを予測し自らの行動を決定するうえで重要な意味を持ちました。風水も、いいかえれば古代的な人文地理学であり、水や風の動き、地盤、人文との関わりを考えるうえで実質的な効果を発揮しました。近代的な意味での科学が充分発展していない古代にあって、「本当に使える」技術であったといえるでしょう。