江戸時代の生類憐れみの令も、今日紹介された殺生禁断令と同じものですか。これは「希代の悪報」といわれますが、民衆にとっていかなる意味があったのでしょうか。

はい、生類憐れみの令は、殺生禁断令の最も行き届いたパターンですね。最終的には犬のみがクローズアップされてゆきますが、本来は、老人や子供の保護など、人間のなかの社会福祉の問題も考慮した法令でした。犬の問題にしても、彼らは人間にとって最古のパートナー動物でありながら、縄文以降ずっと酷い扱いを受け続け、喰われ続けてもいますので、大切にされる時期があってもよかったのだろうと思います(もちろん、その「大切」は、人間の観点からみた「大切」ですが)。