歴史学と考古学の違いとは、具体的に何ですか。

歴史学は主に「書かれたもの」である文献史料、考古学は「出土したもの」である遺跡や遺物を研究対象とし、それぞれ歴史的事実、歴史像を描き出してゆきます。歴史学に「史料批判」と呼ばれる史料の読み方、方法論があるように、考古学にも、モノを扱うための様々な知識、技術体系が存在します。両者は、過去に迫るアプローチの方法に相違がありますが、古墳時代なら古墳時代奈良時代なら奈良時代と、対象の範囲が重複する場合には、相互の知見を参照・援用・補完しあうことが重要になります。現在では、遺物・遺跡にまったく関心を払わない歴史学者、文献を一切読もうとしない考古学者は、いないといっても過言ではないでしょう。