祥瑞というのは、他にもいろいろな種類があるのでしょうか。 / 以前、中国から贈られた白亀を言祝いで改元したという話を聞いたのですが、自然に出現したものでなくても祥瑞になるのでしょうか。 / 藤原麻呂の捏造について、当時の人々の反応はどうだったのでしょう。

日本の祥瑞については、『延喜式治部省式に詳しい規定が掲載されています。そこでは、祥瑞が大・上・中・下の4段階に分けられ、大瑞が景星(徳星)・慶雲・黄真人(金人・玉女)などを筆頭に60種類(麒麟鳳凰・龍・一角獣などお馴染みのものも含む)、上瑞が三角獣・白狼・九尾狐・三足烏など38種、中瑞が白鳥・白雉・白兎など33種、下瑞が木連理(根本を異にする木が途中から一体となったもの)・芝草(長生の効能がある仙草)など14種となっています。これらは、中国の様々な典籍に基づいて列挙されたものですね。藤原麻呂が捏造に関わったは、神亀・醴泉などは大瑞に当たります。祥瑞出現も含めて、彼らの強引なやり方には批判もあったでしょう。天然痘流行後に生じる「長屋王怨霊説」が、その批判の行く着く先であったとすれば、麻呂の動きをよしとしない人々もあったと思われます。。
ところで、中国から白亀が贈られてきたのを契機に改元したという話は、寡聞にして聞いたことがありません。もし本当にあったのなら、日本国王の徳が高いからこそ外国から献上されたのだ、と認識した可能性がありますね。