女性は、どのあたりの時代から政治に関わらず、家の中へ押し込められていったのでしょうか。

中国の律令官制では、家父長制のもと女性は政治の場から排除されており、後宮では男性機能を除去された宦官が奉仕していました。しかし、もともと双系制をなし女性の立場が高かった日本列島では、政治や社会の場で男女の共同労働が普通に行われていました。この伝統を踏襲した8世紀の律令国家では、後宮官制として女官の存在が規定され、その出身の方法も整備されて、多くの優秀な女性が活躍し天皇の生活と政治を支えていました。しか平安時代以降になると、唐風化のなかで男性の官職も次第に変質し、宮廷社会の女官たちも天皇夫人の女房などへ変質を余儀なくされ、政治の表舞台から排除されてゆくのです。ただし、戦国時代に至るまで常に例外は存在したことから、近年では個々の女性の政治・社会・経済にわたる活動の検討が重要になってきています。