日本列島で、沖縄のユタ以外に、シャーマンの文化が残っているところはあるのでしょうか。

たくさんの事例が確認されています。沖縄のユタと並んで最も著名なのは東北のイタコでしょうが、類似の口寄せ型としてやはり東北のゴミソやカミサマ、その他各八丈島青ヶ島など島嶼部のミコにも独特の宗教文化が残っています。特定の祭礼の折のみに当番制で依代の役を務める、福島のノリワラなどもあります。また、近年では都市部にもシャーマン的役割を果たすものが増えてきており、早くに佐々木宏幹らの宗教人類学者によって注目されています(『聖と呪力の人類学』『宗教人類学』など、ともに講談社学術文庫)。