これは史料が残っていないわけで、まったくの想像でしかないわけですが、火山の噴火や山火事などの際に、金属の溶融現象が見出されたのだろうと考えられています。そこから、いかなる石が溶融によって器物に仮構できるのか、すなわち金属関係の鉱石が種々発見されてゆき、それぞれに適した溶融や精錬の方法が開発されていった。今年の3月、トルコ東部のカマン・カレホユック遺跡から、前2250~2500年前の鉄塊が出土したとの報道がありました。これまで鉄の起源とされていたヒッタイト帝国より早く、文字を持つ文明の外側から、製鉄の知識がもたらされたとの想定がなされています。今後もまだまだ、新しい発見がありそうです。