現代のような火葬が始まったのはいつですか。

現代のような…といわれると、それは近代に入ってからです、という回答の仕方になってしまいます。近世の日本列島では土葬が主流で、ほぼ、火葬を行うのは浄土真宗門徒に限られていました。それが一般化したのは近代以降で、主に都市の衛生化、埋葬地の縮小/土地確保のため、遺体を腐敗させず、また埋葬に占める面積を縮減するための措置でした。なお、日本列島における火葬の起源は、史料的には唐へ留学し玄奘三蔵の新訳経典を持ち帰った道昭、そして持統天皇へ続きます。しかし、その流れは長く一般化はしませんでした。考古学的には、古墳時代の後期に、須恵器の生産に従事した渡来人たちが、その窯を利用して火葬を営んでいたらしいことが確認されています。