鳥装の人間の描かれた絵が多く紹介されていましたが、実際に女性も司祭として祭祀に参加していたのでしょうか。

ユーラシア大陸には、全般的に、女性が神憑りしてトランス状態のなかで語った言葉を、男性宗教者が日常的な言語に置き直して解説するという宗教文化が存在しました。古代ギリシアデルポイ神殿でも、神憑りする巫女とその言葉をヘクサメトロンの詩へ綴る神官が存在しましたし、日本列島にも巫女と審神者のセットが近代まで活動していました。恐らく、邪馬台国卑弥呼と男弟もそのような関係でしょう。鳥装のシャーマンには稲霊、もしくはそれを運ぶ鳥霊が憑依し(子供を生み女性と、稲霊を運ぶ鳥が重ね合わされているのかも知れません)、男性司祭は彼女の言葉を神託として述べ伝え、稲作の豊穣に関する祭儀や卜占が行われたのかも分かりません。