逸文の信頼性は、どのように検証するのでしょうか。

まず前提として、掲載されている類書に対する信頼性があります。歴代の『華林遍略』『修文殿御覧』『芸文類聚』『太平広記』『太平御覧』などは、王朝の正史と同様、王朝の威信を賭けた国家的事業として、あるいは勅を奉じ、唐代を代表する(場合によっては数百人に及ぶ)学者たちによって編纂されているからです。そのうえで、他の書物に別系統で引用されてきたもの、一応は伝世され存在する本体があればその記述(後代にあらためて逸文を収集し刊行されたものの場合もある)、あるいは遺跡から出土した竹簡など文字史料、それらを比較対照しながら、微細な部分まで共通点・相違点を確認・検証、どの段階に書かれたものかを想定してゆくわけです。